例えば、
「G410」SFTは、ヒール寄りの重心設計で抜群のつかまりを発揮する。
→ 普段から打球が右に行きがちなゴルファーが使うと、目標に向かってボールを正しく打ち出せるようになる。ヘッドの慣性モーメントが増大すると、インパクトでフェースが向いた方向にそのまま真っすぐに飛びやすくなる。つまり、確実にフェアウェイを捉えたいならば、インパクトでフェースが目標を向いてくれるヘッドを選ばなくてはならない。
PINGというゴルフブランドの特別なところは、1959年の創業以来、一貫して"ミスに寛容なゴルフクラブ"を主眼に開発を行っているところにある。最初は創始者のカーステン・ソルハイムが自分自身のゴルフのために、確率の高いパターを自作したのが始まりだが、その開発の在り方は60年経った今でも変わっていない。最新ドライバーの『G410』ドライバーでも、『G710』アイアンでも、PINGのエンジニアが追い求めているのはさらなる慣性モーメント(上下左右)の拡充。つまりは、ミスヒットに対する寛容性のアップなのである。今も昔もゴルフが"ミス"のゲームであることには変わりがない。だからこそPINGのエンジニアも常にその難題に立ち向かっているのである。
「古いPINGのクラブもいいが、新しい製品はもっといい。なぜなら、我々がもっとよいモノを作りたいと願い、従来モデルに改善を加えてニューモデルを作っているからです」
これは今から30年近く前に、筆者がカーステンさんから直接聞いた言葉である。そのマインドは今もそのまま現在の開発チームに受け継がれている。素直にそう感じることができるところが、PINGというゴルフブランドの特別なところだと思う。
この連載コラムの第一回「ドライバーのやさしさって何?」にも書いたことだが、ミスヒットに寛容なゴルフクラブを目指していくと、自然に平均飛距離がアップしていく。打ち直したくなるほどの致命的なミスが減るのだから当然だ。そして、打球が安定すればスコアもよくなっていく。2019年の国内男女ツアーでは、PINGドライバーが15勝と近年、世界の各ツアーで顕著になっているPING契約選手の活躍がそのことを証明していると言えるだろう。
では、最新の『G410』ドライバーならば、ミスをしても大丈夫なのだろうか?実はツアー選手が感じている最新ドライバーの"やさしさ"を手に入れるには、自分に合ったモデルを選ぶ、というプロセスが必要になる。『G410』ドライバーには、SFT、PLUS、LSTという3つのヘッドがあるが、これがすなわちあらゆるタイプのゴルファーに進化したやさしさを提供するために必要なバリエーションなのだ。
例えば、
「G410」SFTは、ヒール寄りの重心設計で抜群のつかまりを発揮する。
→ 普段から打球が右に行きがちなゴルファーが使うと、目標に向かってボールを正しく打ち出せるようになる。ヘッドの慣性モーメントが増大すると、インパクトでフェースが向いた方向にそのまま真っすぐに飛びやすくなる。つまり、確実にフェアウェイを捉えたいならば、インパクトでフェースが目標を向いてくれるヘッドを選ばなくてはならない。
「G410」PLUSは、高弾道でブレのない弾道。ウェイト可変でさらに精密調整できる。
→ 最大級のやさしさ、そして高弾道によるビッグキャリーが期待できるG410のスタンダードモデルがPLUS。このモデルで打ち出し方向(つかまり)やスピン量が適正かをまず見極めることが重要。3つのポジションにバックウェイトを変えることができ、微妙な弾道調整ができるところもプロに人気が高い理由。
「G410」LSTは、シャープに振れ、低スピンの強弾道が打てる。
→ ヘッド体積が450ccでフェースコントロールを自分でしやすいのがLSTの特徴。やさしいG410の中でもいわゆる操作性が一番高いモデルだ。バックスピンが多めで、飛距離をロスしている人が使うと弾道が適正化。風の日でもその影響を受けにくく安定性もアップする。
この簡単なモデル別の特徴を読んで、ピンっ!ときたG410はあっただろうか?
基本的には3モデルの中から、目標方向にしっかりとボールを打ち出せるヘッドを選ぶ。そうすることで、PINGドライバー史上最大の高いヘッドの慣性モーメント効果を実感することができるのだ。
最後に、PINGというゴルフブランドの特別なところをもう一つお伝えして、この連載を終わりとしたい。
それは創業以来、フィッティングに力をいれているという点だ。最新ドライバー『G410』で大きく飛ばしていくためにも、フィッティングは不可欠。振りやすいクラブを手にすることで、これまでロスしていたパワーをボールにしっかりと伝えることができ、もっと真っすぐに、もっと遠くへボールを飛ばすことができるのだ。
カーステン・ソルハイムが理想としたのは、物理的にベストな製品ではなく、ゴルファーそれぞれのベストを引き出すようなパーソナルなゴルフクラブだったのではないか、と思うことがある。それがPINGスローガン、PLAY YOUR BESTに込められた想い。そんな気がしてならないのだ。
クラバー
高梨 祥明Yoshiaki Takanashi
ゴルフ専門誌のギア担当として、長く国内外のゴルフメーカーの開発中枢を取材。2013年に独立しフリーライター/編集者として活躍中。愛称のCLUBERは、GOLF CLUB LOVERを縮めた造語。