カーステンが最初に完成させたパターは、『1A』という中央部が空洞で周囲をブロンズの衝立で囲んだようなボックス型のヘッドでした。薄い板がインパクトの振動で共鳴し、ピーンという打球音を発したことから"PING"というブランド名が生まれたことはあまりにも有名な話です。つい話が脱線してしまいますが、今日の本題はそこではありません。この薄い板で囲まれたボックス型ヘッドの"狙い"について、この機会にもう一度よく考えてみたいのです。
写真を見てお分かりのとおり、『1A』は中央が空洞になった箸箱のようなデザインになっています。当時主流のL字やT字のボディには空洞はありません。鉄や真鍮といった金属の塊でヘッドが出来ていたのです。