初優勝が期待される新鋭・佐久間朱莉選手。22〜23年はレギュラーツアーフル参戦した上野菜々子選手。ツアー2勝のベテラン・前田陽子選手。アマチュア時代から世界で活躍する飛ばし屋の常文恵選手。2023年はステップ・アップ・ツアーを主戦場に戦った竹山佳林選手。
前回に続き、ピンのクラブとともにシーズンを戦う各選手に、クラブの魅力や目標などについてお話を聞きました。
――ピンのクラブをいつから使っていますか?
佐久間：ジュニア時代からずっとピンを使っていて、今もバッグの中の14本すべてがピンのクラブです。参加したファン感謝デーでは、たくさんの方が同じピンのクラブを使っていてうれしかったです。
ピンのクラブは曲がらないのが特徴で、ストレートな弾道になってくれるのがすごく良いです。自分のプレースタイルにも合っていると感じています。
――14本の中でも気に入っているクラブはありますか?
佐久間：使っていて好きなのは、ハイブリッドです。女子ツアーのセッティングも距離が長くなってきていて、2打目やパー3でハイブリッドを使うことがとても多いのですが。今使っている『G430ハイブリッド』は、長い距離でもボールが高く上がって、グリーンを狙えます。そういうショットは自分の武器ですね。
――2024年の目標を教えて下さい。
佐久間：2023年シーズンは、夏までは好調で、何度も優勝争いができたのですが、軽井沢の試合(NEC軽井沢72ゴルフ)で腰を痛めてしまって、そこから思うような成績を挙げられなくなってしまいました。
ケガはもう大丈夫なので、2024年シーズンは体調に気をつけて、初優勝したいですね。メジャーでも勝ちたいです。
――ピンのクラブを使い始めたのはいつからですか?
上野：中学3年生のときからです。モニターとして提供していただいて、プロになってからも、その流れでずっとピンを使っています。今も14本すべてピンですね。
とにかく、ドライバーの直進性が良いのが魅力的です。ウッド類は操作性がすごく良くて、ドローでもフェードでも自分の手で打っているような感覚で、ボールを拾ったり、潰して打ったり、いろいろな球を自由に扱えるところがあって、とても気に入っています。
――14本の中で、特に気に入っているクラブはありますか?
上野：すごく気に入っているのは、『G430』の5番ハイブリッド、26度です。
パー3のホールもそうですし、セカンドショットでも結構使うことが多いんですが、やはり自由に球が扱えて、どんなライでも結構打てるんです。ボールを拾うのがすごく楽なので、新シーズンは30度の6番ハイブリッドも入れています。
――2024年の目標を教えて下さい。
上野：2023年シーズンは、前半戦からいろいろあり、なかなかゴルフに集中できない時期があって、いろいろな方と相談しながら後半戦に向けて準備しました。気持ちを切り替えられた結果が、QT12位という順位につながったと思います。
2024年は初優勝したいという気持ちがすごく高まってきています。まずは1勝を目標にやっていきたいです。
――バッグの中で、特に気に入っているクラブはありますか?
前田：ハイブリッドが気に入っています。7番ハイブリッドはロフト角が34度で、その下は8番アイアンから入れています。アイアンが8番からと言うと、皆さんびっくりされるのですが、自分の中ではアイアンよりもハイブリッドのほうがはるかに打ちやすいんです。ボールが上がってくれることが私には何よりもうれしくて。130〜140ヤードのパー3でも、ハイブリッドで狙っています。
――2023年はステップ・アップ・ツアーで活躍されました。
前田：レギュラーツアーで優勝していた頃からも、自分はバーディをたくさん取るタイプではなくて、耐えるゴルフで頑張ってきたのですが、今の若い選手たちは「バーディを取ってなんぼ」じゃないですか。
だから、自分も追いつくというか、そういうプレーに切り替えるというのは結構大変で、気持ちの面でも技術の面でも取り組んでいかなきゃいけない。
そのような状況の中で、今の『G430ハイブリッド』はつかまり過ぎるとかつかまらないとかがなくて、使いやすいクラブだと感じています。構えやすさと地面に置いたときの落ち着き、握りやすさはピンが一番良いなって思います。
ピンのハイブリッドで、高い弾道でピンを狙うショットが打てるようになって、自分も少しはバーディ合戦に参加できているのかなと。自分でもまだ伸びしろがあると思っていて、そこの部分を良くしたらもっと戦えると感じているので、それをモチベーションにしています。
――2024年の目標を教えて下さい。
前田：2023年シーズンは、鳥取県で行われたステップ・アップ・ツアーの「山陰ご縁むす美レディース」で優勝争いができて、最終日最終組で回れたことが、自分でも成長できているかなと思えました。
3日間アンダーのスコアが出たり、1日で5アンダーが出たりして、バーディの取れるゴルフができていることが、自信になっています。2024年シーズンは、ステップ・アップ・ツアーでぜひ優勝したいです。
そこで良い成績が挙げられれば、レギュラーツアーに上がる資格を得られるので、それを獲得できるように頑張りたいです。
――ご自身の選手としての強みはどこでしょうか?
常：今はドライバーですね。平均で250ヤード、当たったら260〜270ヤード飛びます。一緒に回っている選手よりもだいたい前に行っていますし、ほとんどのパー5で2オンが狙えます。
でも、ショートゲームが最近、本当に良くないから、もったいない結果になっていることが結構あります。パー5で、2打でグリーンの近くまで行っているのに、本当にバーディが取れない……。ここは改善しないとですね。
――14本の中で、特に気に入っているクラブはありますか?
常：14本すべてがピンのクラブなんですが、特にパターが好きになりたいです(笑)。もちろん今使っている『PLD DS72』は、とても使いやすいです。
ドライバーは、今『G430 MAX』を使用しているのですが、本当にあまり曲がらないんです。また、右に行っても飛距離ロスが少ないところが気に入っています。私の場合、右のミスは飛距離が落ちがちになるのですが、それがないですね。
ドライバーは飛距離が出るので、パー4のセカンドはほとんど残り130ヤード以内になります。9番かPWを使うことが多いのですが、なかなか良いバーディチャンスにつけられない。今年はアイアンをたくさん練習したいと思います。
――2024年の目標を教えて下さい。
常：2023年は、アイアンショットとパッティングが悪くて本当に苦しいシーズンでした。なので、まずはそこに集中して、練習を重ねていきいたいと考えています。 ドライバーは好調なので、アイアンが良くなればバーディがたくさん取れると思います。
――ピンのクラブをいつから使っていますか?
竹山：ジュニアの頃は別のメーカーのクラブだったのですが、パターだけピンのモデルを使っていました。プロテストに受かるくらいから、他のクラブもピンにして、そこからはずっとピンのクラブを使っています。
プロテストに無事合格したときにピンのクラブだったというのが印象が強くて、相性がいいんだろうなと自分でも思えました。だから、今も疑問とか違和感とかも何もないんです。
――14本の中で、特に気に入っているクラブはありますか?
竹山：私はドライバーが好きで、得意クラブもずっとドライバーと答えています。今は『G430 MAX 10K』を使っています。ヘッドが大きなものが昔から好きで、曲がらないところも気に入っています。『G430』になってから、打音もバスっと静かになって、打感も吸いつく感じになりました。でも、何より直進性がすごくて、大きなブレがないのが良いなと感じています。
――2024年の目標を教えて下さい。
竹山：2023年は今までで一番成績が良くなくて、苦労したシーズンになりました。スイングもいろいろと変えてみたりして、試行錯誤しました。本当に最後のほうになって、手応えがつかめてきていたのですが、なかなか結果に反映できず終わってしまいました。
ショットでいうと、ずっとドローヒッターだったのですが、思い切ってフェードに変えてみたり、シャフトとかもいろいろ試してみて、成績も良くなかったので次に向けての取り組みを行っていました。
2024年はステップ・アップ・ツアーがメインになるのですが、一度優勝したことがあるので、2勝目を狙うことと、もうQTを受けなくてもいいようにレギュラーツアーで上位進出したいです。最終的には、賞金女王を目指して頑張りたいですね。
ー了ー
